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〈ふつうのサラリーマン〉が長期投資の投信会社・楽知ん投信を立ちあげる
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(写真は分子を模型化したもの。
 手前は水分子,奥は二酸化炭素です)

 昨日,「今日の偉人」で,進化論のチャールズ・ダーウィン
をとりあげました。

 そして,彼が自分の研究を自由に進めていく上で裕福な
資産家であったことは,大きな意味があったのでは……と
書きました。

 ダーウィンも意識的に投資を行うなどして自分の経済的
基盤の強化につとめたのです。

 ダーウィンは資産家でしたが,ふつうのサラリーマンや
自営業の人でも,同様のことがあるのではないかと思い
ます。

 つまり,

   会社からのお給料や「本業」からの所得以外にも
   一定の所得や所得の源になる資産があると,
   その人の経済的基盤は,いっそう確かなものになる。

   そのことで,その人は個人として,
   よりしっかりとしたかたちで自分の思いや考え方を,
   いろいろな場面で貫けるようになるのではないか……

そんなイメージです。

 先日,教育学者・科学史家の板倉聖宣さんとお会いする
機会がありました。

 私が関わっているNPO法人「楽知ん研究所」は,板倉
さんの研究成果の肩の上に乗って活動しているといって
いいです。

 板倉さんは,若いころからたくさんの研究・著作を世に
出してこられました。70歳代後半の今も「私立板倉研究室」
を都内のビルの1室に構え,現役バリバリで研究を続けて
おられます。

 板倉さんは,公立の研究機関の研究者だったご自分の
若いころをふりかえって,こんなことを言われていました。

   「若い頃,研究所からの給料のほかに,たくさんの
   科学啓蒙の本を書いていた。その著作からの収入が
   給料に近いときもあったなあ」

 そして,

   そのような「副収入」があったことは,学界や研究所
   内部の「主流」の考え方などを一切気にせず,自分
   の問題意識で自由に研究をすすめるうえで意味が
   あった……

ということを述べておられました。
(なお,板倉さんは,その研究所を定年までお勤めになっ
ています)

 そんなお話を伺って,私はこんなことを思いました。

   「本を書いた副収入でお給料ほども稼ぐ……という
   のはふつうはなかなかできることではない。

    でも,お給料から生活費を差し引いた余剰を投資・
   運用にまわして資産を守り育てていく,ということなら,
   多くの人に可能なはず。

    そういうことを,今まで投資とはあまり縁のなかった
   人たち……かつての自分のような人たちに,ぜひとも
   考えてほしい……

    そう思ってこの会社(楽知ん投信)をたちあげたんだ
   なあ。

    そのことで,自分の経済的基盤をより強固にして,
   より自由に元気に生きていく人たちが増えていったら
   いいなあ。」

 板倉さんは投資・運用のことを直接言われたわけでは
ありません。ただ板倉さんのお話に触れて,私としては
つい「自分の世界」のことを考えてしまったのです。

 そして,投資信託は,ふつうの人たち(=投資について
特別な知識のない,また特に多くの資産を持っている
わけではない人たち)が自分の資産を守り育てるうえで,
とても有効な道具である……と思っているのです。
  
 もちろんそこには一定のリスクや留意すべき点はあります。
しかし,関心を向ける価値がある……とつよく思っています。

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 今日2月12日は,進化論のチャールズ・ダーウィン
(1809~1882,イギリス)の誕生日です。
 
 写真は,ダーウィンを描いたイラスト(小出雅之さん作)。

           *  *  *  *

               【三百文字の偉人伝】
          チャールズ・ダーウィン
       (「自然選択による進化」の提唱者)

    1809年2月12日生まれ 1882年4月19日没

      1日3時間の研究で不滅の業績

 進化論のチャールズ・ダーウィン(1809~1882 イギリス)
は,大学教授でもなく,研究機関にも所属せず,個人で自宅
にこもって研究しました。

 資産家だったので,自由な時間や研究資金には苦労しま
せんでした。

 でも,30歳ころから,原因不明の持病のせいで,長時間
がんばることができなくなってしまいます。打ち込めるのは,
1日せいぜい1日3時間です。

 彼の主著の『種の起源』は,そんな「1日3時間」の研究を,
20年余り続けた成果です。

 病弱だった彼は,規則正しいシンプルな生活を心がけ,
着実に仕事を進めていったのでした。

 使える時間が限られていても,そこで集中し,長く積み
重ねていくことで,何かを成すことは可能なのです。

典拠:江上生子『(人と思想)ダーウィン』(清水書院)
    板倉聖宣『科学者伝記小事典』(仮説社) 

                 *  *  *  *

 ダーウィンの進化論は,当時さまざまな立場からの攻撃
や批判を受けました。「危険思想」的な面があったのです。

 そのような研究をダーウィンが行うことができたのには,
彼が組織に属さず個人で研究に専念できるだけの経済力
があった……ということがあります。

 彼はお金のために働く必要はなく,自由な時間をたくさん
持っていました。彼の屋敷は,小さな生物学・博物学の
研究所のような設備をそなえていました。

 また,ダーウィンは

   「自分が研究を行うための経済基盤の確保」

を自覚的に行いました。

 単に資産家の家に生まれ相当な財産を受け継いだだけ
でなく,さまざまな投資を行って,財産を守り育てることを
積極的に行ったのでした。

 人が自由にものを考えたり,創造的ななにかを生み出す
うえで,経済的な条件はとても重要なのだと思います。

 また

   「経済的に強固な基盤をもっていて,
   自由にものを考えたり発言できる」

という人(たとえばダーウィンはそうでした)が増えると,
世の中全体の創造性も,より高くなっていくのでは……

 ダーウィンの事例から,そんなことも考えます。

 昨日,当社のオフィスに遠いところからいらしゃった2組
のお客様がありました。

 1人は,北海道の旭川からいらした高校三年生のA君
です。A君は,当社の出資者の方の息子さんです。

 東京の大学を受験するために上京し,当社の近所に
あるその大学を下見に来たのです。明日が試験とのこと。
(受験シーズンですよねー)

 それで,出資者のお父さんから「下見のついでに楽知ん
投信へ寄って,この差し入れを持っていきなさい」と,菓子
折りを渡されて持ってきてくれたのでした。開業に向けて
忙しく働く社員たちへの「陣中見舞い」です。

 「こっちは,暖かいですね。旭川より20度くらい気温が
高いのかなあ……」と,彼は言ってました。日本は広い。

 夕方,もう1組のお客様が福岡からいらっしゃいました。
Bさん夫妻です。

 おとなりのかいたく投信さん(当社と同じように最近立ち
があった独立系の投信会社です。志を共有するお仲間
です)を訪ねこられて,当社にも立ち寄られたのです。

 Bさんは,定期的に集まって行う長期投資の勉強会の
活動をされています。去年,私と当社の西生が講師役で
その勉強会に行かせていただいたこともあります。

 お2人は,この3連休にからんで,東京方面へ旅行に
いらしたとのこと。

 当社のオフィスがある四谷・麹町界隈には「さわかみ
投信
」をはじめ,「さわかみ」の長期投資の考え方に共
鳴する投資運用関連の会社のオフィスが,いくつか集ま
っています。当社も,そのひとつです。

 さわかみ投信のまわりに,成り行きで,いつしか集まった
……という感じです。

 Bさんご夫妻のような「長期投資仲間」の方が,東京に
いらっしゃると,四谷・麹町界隈のそんな「長期投資」関係
の会社を訪ねてこられることがあります。

 なかには,観光スポットや繁華街には目もくれず,まっさき
に四谷・麹町にいらっしゃる方もいます。

 「東京に行ったら,仕事でもないのにこんなオフィス街を
まっさきに訪ねるなんて,ちょっとめずらしいですよねー」
などと,Bさんたちと談笑しました。

 長期投資の勉強会や「たのしい科学」のイベントなどで
知り合った全国のお仲間が,こんなふうに当社のオフィス
にいらっしゃることが,よくあるのです。

 昨日は,たまたま北海道と九州という「北」と「南」から
いらっしゃった……というわけです。

(写真は,海外で出版された戦前の東京の観光地図を
ポスターにしたもの。当社に貼っています。ピンのような
ものが立っている地点が当社のある麹町)

 今日2月7日は,メンデレーエフ(1834~1907,ロシア,
周期律を発見した化学者)の誕生日です。

 写真は,2008年/年度版の『楽知んカレンダー』の記事
「三百文字の偉人伝」で描かれたメンデレーエフのイラスト
(小出雅之さん作)。『楽知んカレンダー』は現在楽知ん研
究所のHPにて販売中です。年度単位でも使えるカレンダー
です。

           *  *  *  * 

               【三百文字の偉人伝】
          ドミトリ・メンデレーエフ
           (「周期律」の発見者)

    1834年2月7日生まれ 1907年2月2日没

      「統計数値」で謎を解く名探偵

 メンデレーエフ(1834~1907 ロシア)は〈原子量〉と
いう数値と〈元素の性質〉の間にある法則性(周期律)を
発見した化学者で,「数量に基づく推理」の達人でした。

 あるとき彼はロシア政府から「無煙火薬」の研究を頼ま
れました。無煙火薬は,当時,限られた国だけの最新
技術でした。

  「火薬の原材料の配合比率がわからない……」

 彼は,フランスの無煙火薬の工場に見学に行き,探ろ
うとしました。

 しかし,見学はできても,肝心の部分は,当然機密で
教えてもらえません。

 そこで彼はフランスの鉄道局で貨物列車の輸送統計を
調べました。統計には,火薬工場のある駅にどんな材料
がどれだけ運ばれたかが載っていました。

 その輸送量の割合を計算し,配合の比率を解明したの
です。

 「統計数値を使った謎解き」で,優秀なスパイ顔負けの
ことができる……

 「統計」は,いろいろな謎を解くのに有効な道具なの
です。

典拠文献:増山元三郎『数に語らせる』(岩波書店)

                 *  *  *  * 

 「統計」というと,ここで出た「輸送統計」のほか「人口」
「○○の生産量」といったものを思いうかべる方も多い
と思います。先日(1月31日)にとりあげた「GDP(国内
総生産)」も,統計の一種です。

 統計とは,

   〈集団=たくさんのモノゴトの集まり〉の性質が
   わかるような数値

のことです。

 1本1本の「木」を細かくみるのではなく,「森」全体の
状態をみわたすためのメガネが,統計です。

 アンケート調査の結果をまとめると「アンケートの対象
者」という集団の性質が読み取れます。

 製品の生産量を調べると,その産業・業界の状態が
いろいろわかります。

 会社の「決算書」も,会社の状況がわかる数値をまと
めたもので,一種の「統計」です。

  ※「決算書」……その年度の会社の売上・経費・利益
             などをまとめた「損益計算書」や,
             その会社の年度末の資産状況をま
             とめた「貸借対照表」などがある。

 「その会社の株式に投資するかどうか」の判断材料とし
て投資家が会社の決算書を読むことは,ごく当たり前に
行われています。

 中には10年20年分の決算書をもとに「その会社が長期
の視野の中でどこへ向かおうとしているのか」について
分析する専門家もいるのだそうです。

 投資判断という一種の「謎解き」に,決算書という「統計」
をトコトン使っていこう……ということです。

 もちろん「統計」だけで何でもわかる……などということ
はないでしょう。でも「謎解きに使える」統計数値がある
なら,その限界も知りつつ使っていけばいいわけです。

 今回のメンデレーエフの話は

   「統計って〈謎解き〉に使える道具なんだ」

ということを,コンパクトに示していると思っています。

 今日は,システム会社の方たちが何人も来て,投信
業務に必要なコンピュータシステムの設営作業をして
います。

 朝,配線ケーブルや機械類が宅急便などでつぎつぎ
運び込まれて作業がはじまり,今現在(18時すぎ)も
続いています。(写真は,そんなケーブル等の一部)

 ところで,2月1日からは,社員がさらに2人増えま
した。

 これで,開業に向けて予定していたメンバーが全員
揃ったことになります。

 また,以前から予定していた増資(資本金を増やす
こと)も,先日完了しました。

 社員それぞれには,開業に向けてのさまざまな打ち
合わせ等の予定が詰まっています。社内の週間予定
表をながめるたび「予定がますます増えたなー」と感じ
ます。

 当社の営業開始=「船出」への準備がピッチを上げ
てすすめられているわけです。

 「乗組員」(社員)も揃い,資本という「燃料」を積みこみ,
さまざまな機材を整えたりしながら,「出航の許可」(投信
の事業を行うための登録を得ること)を待っている状態
です。

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プロフィール
名前:    
秋田 総一郎
(あきた そういちろう)
自己紹介:
 1965年,兵庫県に生まれ東京の多摩地区で育つ。鉄道会社勤務を経て,2006年に楽知ん投信(株)を設立し代表取締役に。
 会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。

連絡先
 akitaあっとluctinfund.co.jp

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