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〈ふつうのサラリーマン〉が長期投資の投信会社・楽知ん投信を立ちあげる
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 昨日の「72の法則」のつづきです。

 「72の法則」とは,

   「指数関数的な増加」・「複利」

の計算に関するもので
_____________________________

   72÷年率=2倍になる期間
_____________________________

というものです。

 これは借金や資産運用での個人のお金の勘定に使え
ます。

 また「72の法則」は,個人のお金勘定以外でも使えます。
たとえば社会をマクロに(大きな鳥の目で)みるときにも……

 2006年の世界のGDP=国内総生産(経済規模)の上位
5か国は,こうです。

   1位 アメリカ  1500兆円
   2位 日本     520兆円
   3位 ドイツ     340兆円   
   4位 中国     310兆円
   5位 イギリス    270兆円

 これは,ドルを日本円に換算し,アタマの1桁2桁以下の
数字は四捨五入しています。マクロの話はドンブリの数字
で眺めることが大事です。

 ホントは,アメリカ1500兆,日本500兆,ドイツ,中国,
イギリス300兆……でもいいのです。

 中国は,近年急速な経済成長をしています。経済の専門
家の中には

   「何十年後かには,中国の経済規模(GDPの大きさ)は,
   アメリカを抜いて世界1位になる」

と予想する人もいます。

 その手の「予想」を,「72の法則」で素人的にドンブリで行う
こともできます。

 ・中国の経済成長率(GDPの増え方)を年10%と想定
  (近年の成長率がだいたいそのくらい)

 ・アメリカ,日本のGDPは,今後あまり伸びない(変わら
  ない)と想定
  (計算を簡単にするため)

 とすると,2006年から7年ほどで中国のGDPは600兆円
ほどになり,今の日本の500兆円ほどをやや追い抜きます。

 さらにまた7年(2006年から14年)経つと,中国のGDPは
1200兆円。今のアメリカの1500兆円に近づきます。

 さらにまた7年(2006年から21年)経つと,中国のGDPは
2400兆円。今のアメリカの1500兆円を大きく超えています。

 もちろん,この計算の想定には「アメリカ,日本のGDPは
変わらない」という,やや現実とは異なる想定が入っています。

 それに,未来が「最近の傾向のそのままの延長」であるとは
限りません。

 これから10年20年と中国の経済成長が「10%程度」で
あり続けるかどうかも,未来のことですからわかりません。

 だから,くれぐれもここで中国の未来の経済規模について
「7年くらいで日本をやや追い抜く」「20年も経つと中国の
経済が世界最大になっている」と予言しているのではありま
せん……

 ただ「最近の傾向をもとにこういう前提で計算すると,こう
なる」というドンブリ計算をしているだけです。

 それでも,いろいろイメージしたり考えたりするきっかけ
にはなると思います。

 「72の法則」を知っていると

   「考えるきっかけとなるドンブリ計算」

がいろいろできるのです。

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 おととい(28日)に「指数関数」的な変化の話をしたので,
その関連です。

 「72の法則」ってご存知ですか?

 「年何%づつ」という「一定の比」による増加は,

   「指数関数的」

といいましたが,とくにお金の計算の世界では

   「複利」

といいますね。

 「利息が利息を生む」という状態が「複利」です。

 「72の法則」は,「複利」の計算についての法則です。
式であらわすと
_____________________________

   72÷年率=2倍になる期間
_____________________________

というものです。

 おおよその計算ですが,

 年率7%の利息で100万円を借りたとします。

 その100万円の借金をそのままにしておいた……
としましょう。

 100万円の借金はこんなふうに「雪だるま」的な
感じで増えてていきます。
(細かい桁は四捨五入のおよその数字です)

   1年  107万円
   2年  115万円 
   3年  123万円
   4年  131万円
   5年  140万円
   6年  150万円
   7年  161万円
   8年  172万円
   9年  184万円
   10年  197万円

 これを上記の式にあてはめると

   「72÷7(%)=10.3…だいたい10年」

 年率7%の増加だと,だいたい10年で2倍になる……
ということです。

 年率10%だったら

   「72÷10=だいたい7」

だいたい7年で2倍になります。

 年利3%で2000万円を借りて,そのまま放っておいた
としたら

   「72÷3=24」

24年間で2倍の4000万円になります。

 年利20%で10万円の借金をして,そのまま放ってお
いたとしたら

   「72÷20=だいたい4」

4年弱で2倍の20万円になります。

 「72の法則」は,こういう「借金の数学」に使えます。

 そして「借金」だけでなく「利殖の数学」にも使えるわけ
です。

 仮に年利7%でお金を増やすことのできる運用があった
としたら,

   「72÷7=だいたい10」

およそ10年で100万円が2倍の200万円になる……
といった計算です。

 「そんな運用が実際にあるのかどうか」ということはここ
では立ち入りません。とにかく「そういう条件で計算すると
そうなる……」ということです。

 「72の法則」は「生活に直結する数学」といえるでしょう。
もっともっと広く知られていいと思います。

 「指数関数」というコトバをご存知ですか?

   一定の比率で,
   ものごとの数量が変化(増加・減少)する 

それが「指数関数」的な変化です。

 たとえば,下の図のように一定の比率で増えていく変化
は「指数関数的な増加」です。


 ここでは,「2倍」「2倍」という比で増えています。数字で
書くと「2のn乗」です。「2の2乗」は「4」,「2の3乗」は「8」
……

 ここに1匹の細菌がいて,1時間ごとに分裂して2匹に
増えるとします。

 それが10回分裂したら,1匹→2匹→4匹→8匹→16匹
→32匹→64匹→128匹→256匹→512匹→1024匹……

 10回の分裂で1024匹になります。

 これが20回の分裂だとどうなるでしょうか?
 (あてずっぽうで,ちょっとイメージしてみてください)

 じつは,10回で1000匹くらいだったのが,さらにあと10回
繰り返すと,100万匹を超えるのです。

 この増え方をグラフに描くと,タイトルのグラフのように
なります。

   「ある時点あたりから急激に増えている」

という感じがします。 

 社会のできごとは,数や量が一定の比で増えたり減った
りすることが多いです。

 人口もそうですし,経済の成長やものの値段や製品の
生産量も「年に(前の年にくらべて)○%」といった比で
増えたり減ったりするのです。

 資産運用でも,「資産の指数関数的な変化」は,重要
な視点です。資産が増加するとき・減少するときも「年に
○%」という比で変化していきます。

 下のグラフは

   「年率10%=毎年毎年,対前年で10%ずつ
   増えていった」

という場合の増加の様子をグラフにしたものです。
 
 
 「年10%」というのは,たとえば高度成長期(1955年頃
~1975年頃)の日本の経済成長率(経済の規模の伸び
方)にだいたい近い数字です。

 出発の年を「1」とした場合,2年目は「1.1」,3年目は
「1.1の1.1倍」で,「1.21」……というふうに増加してい
ます。

 それが50年積み重なると「およそ120」という数字に
なるのです。

                *

 こうやって説明したりグラフに描いたりしても,やはり
「指数関数」的な変化というのは「実感」としてイメージ
するのがむずかしいところがあります。

 でも,先日友人がこんな話をしていました。

 その人は,最近引っ越しました。新居には小さな庭が
あるので,いろいろ植物を育てるようになったのだそう
です。

   「種をまいて,植物の芽がでてくるよね。すると,
   しばらくのあいだは,毎日観察していてもなかなか
   大きくならない……という感じなんだ」

   「それで何日か目を離してしばらくぶりにみてみると,
   ぐーんと大きくなっていておどろくことがある。
    たぶん,植物のほうでは,日々同じような〈成長率〉
   (比)でもって伸びていると思う。指数関数的に育って
   いるということなんだろうね」

   「指数関数的に伸びていると,最初はなかなか大きく
   なっている感じがしないけど,ある時点からぐーんと
   大きくなる手ごたえがあるんだよね……」

   「秋田さんも,植物を育ててみると〈指数関数〉的な
   変化というものが実感できるよ」

 私も友人も,植物の成長のしくみについて詳しいことを
知っているわけではないので,ほんとうに植物が正確に
指数関数的に成長するのかどうかはわかりません。

 ただ,

   「芽が出る」

   →「ちょっと目にはなかなか大きくならない」

   →「ある時点からぐんぐん成長するという実感が
    はっきりしてくる」

という感覚が,友人の話から伝わってきました。

 それは指数関数的な変化をイメージするうえで手が
かりになる身近な現象かと思います。

 「指数関数的な変化」というメガネでいろいろなものを
みてみるとおもしろいかもしれません。

 今日1月27日は,作曲家:モーツァルトの誕生日です。

(写真は,モーツァルトを描いたイラスト。小出雅之さん作)

           *  *  *  *
          【三百文字の偉人伝】
    ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
              (作曲家) 

   1756年1月27日生まれ 1791年12月5日没

      モーツァルトは几帳面な天才

 作曲家:モーツァルトは(1756~1791 オーストリア)
は「天才だけど,だらしない人」というイメージが,一般
にはあります。

 たしかに浪費家で借金まみれだったり,自己管理の甘
いところがありました。

 でも,音楽のこととなると別です。

 彼は,何百という膨大な自分の作品について,自分で
カタログをつくってデータを整理し,管理していました。

 当時,そんなマメなことをする作曲家はいませんでし
た。のちに「作曲家が自分の作品のカタログをつくる」と
いうことは普及していきますが,彼はその先駆者だった
のです。

 モーツァルトは,私生活ではだらしなくても,音楽に
関してはとても几帳面だったのです。

 それだけ,自分の仕事に愛着と誇りを持っていたとい
うことです。


典拠文献:礒山雅『モーツァルト=二つの顔』(講談社) 

           *  *  *  *
 
 私はずっと以前には,なんとなく

   「創造的であることと,几帳面に整理整頓することは
   相反するものだ」

というイメージをもっていました。

 同じように思う人は少なくないと思います。

 でも今は

   「創造的ないい仕事をするためには,整理整頓は
   とても重要なことだ」

と思っています。

 本やテレビで著名人の仕事ぶりを見聞きしたり,自分の
身の回りをみわたしても,いい仕事をたくさんしている人は,
自分なりの情報や道具の整理術を身につけて実行してい
るのがわかります。

 奔放なイメージの絵を描くすぐれた画家のアトリエが,
絵の具や筆のひとつひとつまできちんと整理されている
……ということがあるのです。
 
 また,いい仕事をしている人でも,机のまわりが乱雑だ
ったり,一見したところ整理整頓とは無縁にみえる人もい
ます。

 でも,自分の仕事の核心については,几帳面に整理
・管理をしているものです。
 
 そういうことに,ある程度社会経験を積んでから気が
つきました。(若いころから,よくわかっている人もいらっ
しゃるとは思いますが……)

 それで,整理整頓については,「これじゃいけないなー」
と反省することはありますが,大切に考えるようになりま
した。   

 昨日は,自宅の小さな書斎スペースで,本や雑誌や
楽知ん研究所(私の参加するNPO)などの週末の活動
関係の資料を整理していました。スッキリしました。


大原美術館(倉敷市)
実業家・大原孫三郎が建設

 先日,ある会合に参加しました。そこでうかがった,ある
社長さんがお話しになっていたことを少し。

 その方は,ご自身の会社の本業以外にも社会貢献の
事業(発展途上国への支援など)にも取り組まれています。

 その社長さんが,ある事業家と社会貢献のことを話した
ところ,

   「いや,私は〈社会貢献〉するほどの資産はないので……」

ということを言われたそうです。

 でもその人は「数十億円」くらいの資産はあると思われる
方なのだそうです。

 その人は「せめて100億円くらいの資産になったら,考え
たい」というのです。

 でも,別の100億円くらいの資産はあろうかという方で
「いや,自分の資産ではまだまだ……」ということもある
のだそうです。

 うーん,世の中には本当にそういうことがあるんだなー
と,少しおどろきました。
 
 でも,一方で

   「何十億円もある人ではない,ふつうの人にも,
   そういうことってあるのかもしれない」

とも思いました。

 「お金ができたら,もう少し給料があがったら○○しよう。
今はちょっと……」というのは,自分でも経験があります。

 「将来,時間ができたら……」ということもあります。
 
 一方で,あまり資産や収入がない若い人や,すごく忙し
い人なのに,どんどん行動している……そういう人も,私
は知っています。

 それは,多くの金額が動くようなことではないのですが,

   「ぜひやりたいこと」を
   時間的・金銭的・ノウハウ的に
   「今できるカタチ」でやっている

……ということです。

 「○○がないから,○○の条件が整ったら」というのは
私も,よく頭をよぎることです。

 でも,

   「今の状態でできることはないか?」と考えて,
   ちょっとでもやってみる……

やはりそれが大事なんだろうなあ……と思っています。

 自分がしてきたことで「よい結果」を生んだことの多くは,
そうやって「ちょっとやってみる」ことではじめたことのような
気がします。

 かならずしも,準備万端で「自分として満足のいく条件」
ではじめたことではないように思うのです。

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プロフィール
名前:    
秋田 総一郎
(あきた そういちろう)
自己紹介:
 1965年,兵庫県に生まれ東京の多摩地区で育つ。鉄道会社勤務を経て,2006年に楽知ん投信(株)を設立し代表取締役に。
 会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。

連絡先
 akitaあっとluctinfund.co.jp

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