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昨日,「1970年代半ばは,時代の変わり目だった」
ということを書きました。
1970年代半ばに,
・高度経済成長がひと段落して,「安定成長」
の時代に入った
・経済成長の成果がはっきりあらわれて
「衣食足りた」時代に入ったということです。
それを,グラフでみてみましょう。タイトルの写真の
「日本の一人あたりGDP(1955~2005)」のグラフ
です。(写真をクリックすると大きくなります)
一人あたりGDP=その国の経済の発展度合い
です。
「その国民の〈お金持ち度〉」
と考えてもいいです。
このグラフは,縦軸の「一人あたりGDP」の値が
「対数目盛り」になっています。
対数目盛は,「比」が同じなら,目盛りが同じ間隔に
なるように書かれています。
このグラフだと,
「10万円」→「100万円」
「100万円」→「1000万円」
は,どちらも「10倍」という「比」なので,目盛りの
間隔が同じです。
対数目盛りだと,成長・増加のペースが同じなら,
グラフの線の傾きは同じになります。
そこで,グラフをみてください。
このグラフは,3つの「線の傾き具合」で構成されて
いるようにみえませんか?
つまり
(1)高度成長の時代 1950年代~1970年代半ば
(2)安定成長の時代 1970年代半ば~1990年頃
(3)成熟経済の時代 1990年頃~現在です。
このグラフの「線の傾き具合」の変化した時点(折れ曲
がっているところ)が「時代の変わり目」です。
それは単に,経済の「成長率」の変化があった……という
だけではありません。社会全体のいろんな分野で変化が
起こっているのです。たとえば,1970年代半ばに「コンビニや宅急便のような
新しい産業が立ち上った」ということも,社会のさまざまな
変化の一部です。
このグラフは,戦後の日本の経済・社会の歩みを知る上
で基本になるものだ,と思っています。
グラフの「折れ曲がり」の時点である
「1975年頃」と「1990年頃」
は,覚えておくと便利です。1990年頃から2005年頃まで,まだグラフが大きく折れ
曲がるということは起こっていません。
このグラフの先(未来)は,どうなるでしょう?
そういうことも,考えてみるとおもしろいと思います。
※データ出典
『数字で見る 日本の100年』(矢野恒太記念会)
平成17年度 国民経済計算確報(内閣府HP)
グラフの表示方法は,
板倉聖宣『日本の産業のすがたと未来』(小峰書店)
をもとに作成
(あきた そういちろう)
会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。
連絡先
akitaあっとluctinfund.co.jp
※お手数ですが「あっと」部分を「@」にご変換ください。
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