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〈ふつうのサラリーマン〉が長期投資の投信会社・楽知ん投信を立ちあげる
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 大道仮説実験の講師をすると,お客さんからこんなふう
に聞かれることがあります。

 「おもしろかったです! この内容はあなたが考えたの
ですか?」

 原則として,講師(実演する人)は,そのプログラムの
開発者ではありません。開発した人は別にいます。

 大道仮説実験の講師は,人が開発したものをそっくり
使って,お客さんに喜んでもらっているわけです。

 たとえていうと,「開発」をした「他人の肩」の上に乗って
いるということです。

 教育の世界では,「誰かの肩の上に乗る」という発想に,
違和感のある人もいるようです。

  「教師は,自分が苦労してつくったオリジナルの授業
   プランに基づいて子どもたちに教えるべきだ。それ
   こそがホンモノだ」

という考え方もあるようです。

 もちろん,先生の工夫や努力は,とても意味があると
思います。

 しかし,個人的な工夫には限界もあるのではないで
しょうか。だからこそ,私や私の仲間はこんなふうに
考えます。

   質の高い内容を,お客さんにお届けするには, 
   「誰か肩の上に乗る」ということがとても重要だ

 それぞれの講師が,自分のオリジナルで実演内容を
いちいち考えなければならないとしたら,高い「品質」
のものはなかなかつくれないでしょう。

 誰にでも喜んでもらえるようなプログラムをつくり出す
ことは,一筋縄ではいきません。

 そこで,

  ・プログラムを開発する仕事(開発者の仕事)

  ・その仕事の肩の上に乗って,お客さんに実演し,
   お客さんの笑顔を直接つくりだす仕事(講師の仕事)
 
という2つの仕事が,しっかりと位置づけられることが必要だ
……と考えるのです。

 これは,音楽で演奏者とは別に作曲者がいるのと同じ
ような関係です。

 演劇でも,脚本を書いた人と,演出や演技をする人は,
別であることが多いです。ダンスでも,ダンサーのほかに
「振付師」という仕事があります。

 だから,世の中の多くのジャンルでは,当たり前のこと
なのかもしれません。しかし,教育関係では,必ずしも
「当たり前」ではないように思います。

                *

 さて,じつはここで述べた「誰かの肩に乗る」という発想
自体が,先人の大きな肩の上に乗ったものです。それは
板倉聖宣さんという人の「肩」です。

 「大道仮説実験」は,板倉聖宣(いたくら・きよのぶ)さん
という教育学者が1963年に提唱した「仮説実験授業」の
成果に全面的に学んだ上でつくっています。

 (仮説実験授業というのは「科学の最も基本的な概念・
   法則を教えるたのしい授業」です。くわしくはまたいずれ。
   板倉さんの本は,仮説社という出版社からでています)
  
 意識的に・主体的に「誰かの肩に乗る」という発想は,
高いところ,遠いところにたどりつくためには,欠かせない
と思います。

 「教育」に限らず,いろいろな分野に通じることだと思って
います。

 「投資」の世界でも,この発想は重要な意味を持つのでは
ないでしょうか。

 たとえば「投資信託」というのは,自分が資金を託す
「運用の専門家」の「肩」の上に乗ることです。

 専門家の「肩」を,投資の素人=普通の人が使いこなす
ためのしくみが投資信託です。

 このブログでは,これからくりかえし「誰かの肩に乗る」
ハナシをすることと思います。

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 先日から,「大道仮説実験ワークショップ」のことを書いて
きました。

 「大道仮説実験」は子どもや大人に科学のたのしさを伝える
科学実験の実演プログラム。その最も基本的な特長は,まさに
「プログラム」であること。

 「プログラム」というのは,

   誰もがその気になれば使いこなして成果をあげることの
   できる具体的な手順・内容がパッケージになっている

ということです。そのような条件を備えた「ソフト」を,ここでは
「プログラム」といってます。

 大道仮説実験の実演をする講師には,誰でもなれます。

 まず,実演するプログラムの「フリップブック」(プレゼン用の
スケッチブック)と,一定の実験道具をそろえる。

 フリップブックは,NPO法人楽知ん研究所で出版しています。
写真は,その「フリップブック」です。

 そして,フリップブックに書かれているとおりに進めていきさえ
すれば,実演できるようになっているのです。

 だから,「ベテランの先生」などではない,経験の少ない
講師でも,お客さんに喜んでもらうことができます。

 そこに「名人芸」はいりません。今回のワークショップでも,
学生の講師が大活躍しました。

 だから,特定のベテラン講師の力量にたよらず,いろいろな
場所で「再現」できる(どこでも・誰でもできる)のです。

 このような「再現性」の高さは,大道仮説実験の特長です。

 それは,「たのしさ」を大勢の人に広げるうえで大事なこと
です。大勢の人が講師になって,あちこちでたのしさを伝える
ことができるからです。

 このような方法論は,楽知ん研究所で一から考え出した
……というものではありません。

 板倉聖宣さんという研究者の仕事に負っています。
 「板倉さんの肩の上に乗ったものだ」といえるのです。

 この「誰かの肩に乗る」ということについては,次回に書きます。


おとといからご紹介している「標語集」の続き・完結編です。

           *   *   *   *

〈成熟経済時代を楽しく生きる〉ための標語集(3)
           ⓒAKITA Soichiro, 2007

●サービス精神……お客さん,評価,組織●

■自分のお客さんを つくろう

 自分のためだけだとやれない仕事も,喜ぶお客さんの顔
がみえると,俄然やる気がでてきます。自分の仕事の先に
あるお客さんの笑顔がみえてしまった人は,周囲が何と
言おうと,仕事を成し遂げます。

 お客さんは,あなたを前進させてくれるサポーターです。


■他人の評価の影に おびえない

 他人の評価は気になります。自分の仕事について、一つ
でも悪い評価のウワサを耳にすると悩んでしまうものです。

 そんな時は,思い切って真意を直接確かめたり,大勢
の評価がみえるような工夫をしてみましょう。「勝手な思い
込みだった」とわかることも少なくないです。


■したくないことは せず・させず

 「やりたい人がやる」「やりたくない人は,やりたい人の
邪魔をしない」……この原則を大切にする組織は,メンバー
がそれぞれの能力や持ち味を発揮できます。

 ふつうはこれと逆のことをするので,組織ぎらいの人が
多いのです。

 「一人ではできないことを,多くの人が力を発揮し合って
行う」のが組織です。それは本来たのしいことなのです。


●楽知ん時代……知的なたのしみ,道具を使う●

■一点突破は 気持ちいい

 いい仕事をする人は,普段はいろいろな関心をもってい
ても,「これだ」となったら,わき目もふらずやり遂げます。

 大切なことを実現するには,問題意識を明確にして
「一点突破」することです。「突破」できたときは,じつに
気持ちいいものです。


■〈たのしい時間持ち〉に なろう

 誰もが「一応の生活には困らない」時代では,「どれ
だけの〈たのしい時間〉を持っているか」が,豊かさの
大事な尺度です。お金は,〈たのしい時間〉を持つため
のひとつの手段にすぎません。

 これからは「質のいい〈たのしい時間〉をつくり出し,
みんなに提供すること」が,最高に価値のある仕事に
なります。


■社会にある〈道具〉を 使いたおそう

 世の中のモノやコトを「人生を豊かにするための道具」
だと思って眺めましょう。

 ・インターネットは,情報を得る道具
 ・投資・運用は,財産を守り育てる道具
 ・会社やNPOなどの組織は「一人ではできないこと」を
 ・実現する道具
  ……

 「その気になれば誰でも使いこなせる」のが道具です。
むやみに敬遠しないで,使っていきましょう。


■〈楽知ん〉が仲間を呼び,仲間が〈楽知ん〉を 呼ぶ

 意欲や好奇心は,個人の能力と思われがちですが,
本当は社会的な面が大きいのです。一人では興味も
なかったことが,仲間がいると急に興味が出てきたり
するものです。

 そんな興味や意欲を高めてくれる仲間を持っていると,
人生がたのしくなります。

           *   *   *   *

 以上で「標語集」はおわりです。

 また,折にふれて,この「標語」にまつわる考えなどを,
書いていきたいと思います。

 今日,鹿児島に行きます。
 いよいよ明日は,「大道仮説実験ワークショップ」です。

 ワークショップの様子など,来週ご報告します。

 昨日からご紹介している「標語集」の続きです。
(タイトルの写真は,楽知ん投信の窓から見た風景です)
 
           *   *   *   *

〈成熟経済時代を楽しく生きる〉ための標語集(2)
           ⓒAKITA Soichiro, 2007

●起業家精神……仮説実験,自立した個人●

■ お先に 失礼!

 このフレーズは,澤上篤人さんの著作やお話で
うかがったものです。

 「政府が(会社が)○○すべきだ,変わるべきだ」
という人がいます。ごもっともです。でも,社会や組織
が変わる前に,一足先に自分でできることをはじめて
しまってはどうでしょうか?

  みんなは,そのうち後からついてくるでしょう。


■ 一人の百歩が 百人の百歩

 これも,板倉聖宣さんの創作ことわざです。

 誰かが百歩先を行く新しいものを示すと,大勢が
それに学んで全体の水準が一挙に上がることが
あります。

 発明・発見や,新事業の開拓は〈一人の百歩〉です。
たとえ小さな工夫でも,〈一人の百歩〉の仕事はこれから
ますます重要になります。

 そして,それを高く評価して〈百人の百歩〉にしていく
ことも,さらに大切な仕事です。


■あなたは自分の 経営者

 今までは,サラリーマンなら会社が一生面倒をみて
くれました。でも,これからは誰もが自営業者のように
「自分が自分の経営者である」という発想で判断をする
ことが大切です。

 経営者の立場に立つと,今までみえなかったいろいろ
なことがみえてきます。

           *   *   *   *

 続きは明日の「その3」で。

 明日から,「大道仮説実験ワークショップ」に参加する
ため,鹿児島に行ってきます。

 おいしい焼酎が飲みたいですねー。

 

  最近,あるパンフレットをつくりました。

 「成熟経済時代を楽しく生きるための心得」を,十数個
の標語・格言・ことわざの形にまとめたものです。「〈成熟
経済時代を楽しく生きる〉ための標語集」です。

 そのパンフレットをつくったいきさつですが……

 11月24~25日に,鹿児島市で「大道仮説実験ワーク
ショップ」というイベントがあります。私が参加している
NPO法人・楽知ん研究所の主催です。

 「科学のたのしさ」を伝える,さまざまな科学実験のプロ
グラムの実演や,講師養成の講座などが行われる,年1回
の「お祭り」です。今年で7回目。280人ほどが参加します
(参加申し込みは,終了しました)。

 今度の「ワークショップ」で,私はミニ講演をすることに
なっています。そのとき,この「標語集」をお客さんにお配り
して話をします。それで,今回まとめたのです。

 標語や格言のカタチにすると,「発想」「思想」は,ぐっと
身近なものになります。生活や仕事のいろいろな場面で,
その「標語」が思い出されることがあります。

 そのことで,その「発想」を自分で使いこなす……という
感覚がでてくるのです。

 まさに「標語」の力です。

 これから3回に分けて,この「標語集」の中身をご紹介
していきます。

   「これからの時代,どんな発想で生きたらたのしいか」

について,私や,周囲の仲間の考えが集約されていると
思います。

          *   *   *   *

〈成熟経済時代を楽しく生きる〉ための標語集(1)
          ⓒAKITA Soichiro, 2007

 これからは「成熟経済の時代だ」と私たちは考えます。
それは

  「社会が経済的に豊かになって,一人一人が自分の
   価値観で、たのしいことを追及できるようになる時代」

です。これまでとはアタマを切り替えていく必要があります。

 この標語集は,そんな時代を生きるためのヒントになれば,
とまとめたものです。

 作成にあたり,板倉聖宣さん(教育・科学史の研究者),
澤上篤人さん(さわかみ投信代表)の仕事に多くを負ってい
ます。


●お金の流れが変わる……直接金融,公のサービスを民間で●

■いいものには拍手,そして投げ銭

 いい商品やサービスを生み出す人や組織には,拍手
を送りたくなります。商品やサービスへの代金は,「これ
からもいい仕事をしてね」という想いをこめた〈投げ銭〉=
資金援助です。

 拍手と投げ銭が,いい仕事をする人たちを励まし,
育てます。


■お金に 働いていただく

 経済が「右肩上がり」だったかつての時代は,昇給も
順調で,退職金もアテにできました。だから,「自分の
お金に働いていただく」などと考える必要はありません
でした。

 でもこれからは,一人ひとりが,有能な金貸しや投資家
になって自分のお金を働かせ,財産を守り育てることが
必要になるでしょう。


■お金の流れは 社会をつくる

 社会は,お金の使われた方向に動きます。政府が
公共事業に予算を使うこと,あなたが企業の商品を
買うこと,株式投資をすること……そんなお金の流れ
が積み重なって経済はできています。

 だから,買い物でも投資でも「応援したい企業や事業
にお金を流す」という気持ちが大切です。それが,社会
を「こうあって欲しい」と思う方向に動かします。

 澤上篤人さんの著作で,私はこのイメージについて
眼をひらかされました。


■ 衣食足りれば 他人の笑顔

 これは,板倉聖宣さんが創作されたことわざです。

 豊かになった今の社会では,食べものや着るもの
には不自由しません。「もっといいものを」という欲望
もあるでしょうが,限度があるものです。

 一方,「他人に喜ばれることをして,その笑顔をみて
喜ぶ」という満足は尽きることがありません。〈他人の
笑顔〉は,〈衣食足りた時代〉の究極のたのしみなの
です。

          *   *   *   *

 今日はここまで。明日の「その2」に続きます。

プロフィール
名前:    
秋田 総一郎
(あきた そういちろう)
自己紹介:
 1965年,兵庫県に生まれ東京の多摩地区で育つ。鉄道会社勤務を経て,2006年に楽知ん投信(株)を設立し代表取締役に。
 会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。

連絡先
 akitaあっとluctinfund.co.jp

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