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今日の2月15日は,「近代科学の父」 ガリレオ・ガリレイ
(1564~1642,イタリア)の誕生日です。
このところ「偉人」が続いているのですが,この大科学者
は是非とりあげたいので。
(写真は,ガリレオを描いたイラスト。小出雅之さん作)
* * * *
【三百文字の偉人伝】
ガリレオ・ガリレイ
(近代科学の父)
1564年2月15日生まれ 1642年1月8日没
ガリレオが否定しても地球は回っている
ガリレオ・ガリレイ(1809~1882 イタリア)は,聖書の
教えに反する「地動説」を主張したとして,ローマ法王庁
の宗教裁判にかけられました。これは,有名な話です。
では,法王庁の圧力に最後まで屈しなかったのでしょうか?
いいえ,彼は結局「私の説まちがいです」と裁判で宣言
させられています。
その際に,一般に伝わる逸話のように彼が「それでも
地球は回っている」と言ったかどうかは,じつははっきり
しません。
でも,少なくともガリレオはわかっていたはずです。
「私や教会がなんと言おうと,地球は回っている。こんな
宣言に意味はない」と。
科学的な真理は,裁判や会議のような権威が宣言
するところでは,決まらないのです。
典拠:ポール・ストラザーン『90分でわかるガリレオ』(青山出版社)
板倉聖宣『科学と科学教育の源流』(仮説社)
* * * *
結局,科学の真理は,何かの権威とか決議・議論など
で決まるのではないわけです。
何で決まるのかといえば,「実験」的にしか決まらない。
「実験」とは,ある仮説や予想をもとに現実に問いかけ
(ときに働きかけて),事実を確かめることです。
これは科学の研究だけでなく,何事にもあてはまるで
しょう。
新しい事業・ビジネスの立ちあげなどは,ある意味,
社会の中での「実験」です。その「実験」の中で
「どんな予想や仮説が有効だったか」
が検証されていきます。
私たちが投信ビジネスを立ち上げよう……という構想
をしていたとき,「こんなビジネスをこんな考えで行い
たい」という話を,何人かの人に話したことがあります。
「それはいい。きっとうまくいく」という人もいました。
「そのようなことはうまくいかないだろう」という人もい
ました。(どちらのお話もとても参考になったり励まされ
たりしました。感謝)
「それはいい」という人,「だめだろう」という人それぞれ
にその人なりの前提や仮説があり,それから導かれた
予想があるわけです。
「構想」をはじめたころから2年ほど経ちました。
私たちのビジネスは,「構想」「計画」ではなく,いよいよ
現実に動きだす日が近づいてきた…そう思って具体的な
準備をしています。
私たちは当然「このビジネスはうまくいく」という予想の
もとで行動しています。
さらに,主体的に「成功させる」という意思で行動して
います。
いずれ
「成功だった。自分たちの仮説や予想は正しかった」
という「実験結果」を,なんとしてもこの目で確認したいもの
です。
今日2月12日は,進化論のチャールズ・ダーウィン
(1809~1882,イギリス)の誕生日です。
写真は,ダーウィンを描いたイラスト(小出雅之さん作)。
* * * *
【三百文字の偉人伝】
チャールズ・ダーウィン
(「自然選択による進化」の提唱者)
1809年2月12日生まれ 1882年4月19日没
1日3時間の研究で不滅の業績
進化論のチャールズ・ダーウィン(1809~1882 イギリス)
は,大学教授でもなく,研究機関にも所属せず,個人で自宅
にこもって研究しました。
資産家だったので,自由な時間や研究資金には苦労しま
せんでした。
でも,30歳ころから,原因不明の持病のせいで,長時間
がんばることができなくなってしまいます。打ち込めるのは,
1日せいぜい1日3時間です。
彼の主著の『種の起源』は,そんな「1日3時間」の研究を,
20年余り続けた成果です。
病弱だった彼は,規則正しいシンプルな生活を心がけ,
着実に仕事を進めていったのでした。
使える時間が限られていても,そこで集中し,長く積み
重ねていくことで,何かを成すことは可能なのです。
典拠:江上生子『(人と思想)ダーウィン』(清水書院)
板倉聖宣『科学者伝記小事典』(仮説社)
* * * *
ダーウィンの進化論は,当時さまざまな立場からの攻撃
や批判を受けました。「危険思想」的な面があったのです。
そのような研究をダーウィンが行うことができたのには,
彼が組織に属さず個人で研究に専念できるだけの経済力
があった……ということがあります。
彼はお金のために働く必要はなく,自由な時間をたくさん
持っていました。彼の屋敷は,小さな生物学・博物学の
研究所のような設備をそなえていました。
また,ダーウィンは
「自分が研究を行うための経済基盤の確保」
を自覚的に行いました。
単に資産家の家に生まれ相当な財産を受け継いだだけ
でなく,さまざまな投資を行って,財産を守り育てることを
積極的に行ったのでした。
人が自由にものを考えたり,創造的ななにかを生み出す
うえで,経済的な条件はとても重要なのだと思います。
また
「経済的に強固な基盤をもっていて,
自由にものを考えたり発言できる」
という人(たとえばダーウィンはそうでした)が増えると,
世の中全体の創造性も,より高くなっていくのでは……
ダーウィンの事例から,そんなことも考えます。
今日2月7日は,メンデレーエフ(1834~1907,ロシア,
周期律を発見した化学者)の誕生日です。
写真は,2008年/年度版の『楽知んカレンダー』の記事
「三百文字の偉人伝」で描かれたメンデレーエフのイラスト
(小出雅之さん作)。『楽知んカレンダー』は現在楽知ん研
究所のHPにて販売中です。年度単位でも使えるカレンダー
です。
* * * *
【三百文字の偉人伝】
ドミトリ・メンデレーエフ
(「周期律」の発見者)
1834年2月7日生まれ 1907年2月2日没
「統計数値」で謎を解く名探偵
メンデレーエフ(1834~1907 ロシア)は〈原子量〉と
いう数値と〈元素の性質〉の間にある法則性(周期律)を
発見した化学者で,「数量に基づく推理」の達人でした。
あるとき彼はロシア政府から「無煙火薬」の研究を頼ま
れました。無煙火薬は,当時,限られた国だけの最新
技術でした。
「火薬の原材料の配合比率がわからない……」
彼は,フランスの無煙火薬の工場に見学に行き,探ろ
うとしました。
しかし,見学はできても,肝心の部分は,当然機密で
教えてもらえません。
そこで彼はフランスの鉄道局で貨物列車の輸送統計を
調べました。統計には,火薬工場のある駅にどんな材料
がどれだけ運ばれたかが載っていました。
その輸送量の割合を計算し,配合の比率を解明したの
です。
「統計数値を使った謎解き」で,優秀なスパイ顔負けの
ことができる……
「統計」は,いろいろな謎を解くのに有効な道具なの
です。
典拠文献:増山元三郎『数に語らせる』(岩波書店)
* * * *
「統計」というと,ここで出た「輸送統計」のほか「人口」
「○○の生産量」といったものを思いうかべる方も多い
と思います。先日(1月31日)にとりあげた「GDP(国内
総生産)」も,統計の一種です。
統計とは,
〈集団=たくさんのモノゴトの集まり〉の性質が
わかるような数値
のことです。
1本1本の「木」を細かくみるのではなく,「森」全体の
状態をみわたすためのメガネが,統計です。
アンケート調査の結果をまとめると「アンケートの対象
者」という集団の性質が読み取れます。
製品の生産量を調べると,その産業・業界の状態が
いろいろわかります。
会社の「決算書」も,会社の状況がわかる数値をまと
めたもので,一種の「統計」です。
※「決算書」……その年度の会社の売上・経費・利益
などをまとめた「損益計算書」や,
その会社の年度末の資産状況をま
とめた「貸借対照表」などがある。
「その会社の株式に投資するかどうか」の判断材料とし
て投資家が会社の決算書を読むことは,ごく当たり前に
行われています。
中には10年20年分の決算書をもとに「その会社が長期
の視野の中でどこへ向かおうとしているのか」について
分析する専門家もいるのだそうです。
投資判断という一種の「謎解き」に,決算書という「統計」
をトコトン使っていこう……ということです。
もちろん「統計」だけで何でもわかる……などということ
はないでしょう。でも「謎解きに使える」統計数値がある
なら,その限界も知りつつ使っていけばいいわけです。
今回のメンデレーエフの話は
「統計って〈謎解き〉に使える道具なんだ」
ということを,コンパクトに示していると思っています。
今日1月27日は,作曲家:モーツァルトの誕生日です。
(写真は,モーツァルトを描いたイラスト。小出雅之さん作)
* * * *
【三百文字の偉人伝】
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
(作曲家)
1756年1月27日生まれ 1791年12月5日没
モーツァルトは几帳面な天才
作曲家:モーツァルトは(1756~1791 オーストリア)
は「天才だけど,だらしない人」というイメージが,一般
にはあります。
たしかに浪費家で借金まみれだったり,自己管理の甘
いところがありました。
でも,音楽のこととなると別です。
彼は,何百という膨大な自分の作品について,自分で
カタログをつくってデータを整理し,管理していました。
当時,そんなマメなことをする作曲家はいませんでし
た。のちに「作曲家が自分の作品のカタログをつくる」と
いうことは普及していきますが,彼はその先駆者だった
のです。
モーツァルトは,私生活ではだらしなくても,音楽に
関してはとても几帳面だったのです。
それだけ,自分の仕事に愛着と誇りを持っていたとい
うことです。
典拠文献:礒山雅『モーツァルト=二つの顔』(講談社)
* * * *
私はずっと以前には,なんとなく
「創造的であることと,几帳面に整理整頓することは
相反するものだ」
というイメージをもっていました。
同じように思う人は少なくないと思います。
でも今は
「創造的ないい仕事をするためには,整理整頓は
とても重要なことだ」
と思っています。
本やテレビで著名人の仕事ぶりを見聞きしたり,自分の
身の回りをみわたしても,いい仕事をたくさんしている人は,
自分なりの情報や道具の整理術を身につけて実行してい
るのがわかります。
奔放なイメージの絵を描くすぐれた画家のアトリエが,
絵の具や筆のひとつひとつまできちんと整理されている
……ということがあるのです。
また,いい仕事をしている人でも,机のまわりが乱雑だ
ったり,一見したところ整理整頓とは無縁にみえる人もい
ます。
でも,自分の仕事の核心については,几帳面に整理
・管理をしているものです。
そういうことに,ある程度社会経験を積んでから気が
つきました。(若いころから,よくわかっている人もいらっ
しゃるとは思いますが……)
それで,整理整頓については,「これじゃいけないなー」
と反省することはありますが,大切に考えるようになりま
した。
昨日は,自宅の小さな書斎スペースで,本や雑誌や
楽知ん研究所(私の参加するNPO)などの週末の活動
関係の資料を整理していました。スッキリしました。
今日1月17日は,電気学を開拓した科学者であり,
アメリカ独立などで活躍した政治家のベンジャミン・
フランクリン(1706~1790 アメリカ)の誕生日です。
フランクリンは,これまで何度か紹介してきました。
(2007年12月21日 2008年1月11日)
以下の「三百文字の偉人伝」は「フランクリンについて
うんと凝縮して書いたもの」といえます。宮地祐司さん
(楽知ん研究所)の作です。
(写真はフランクリンを描いたイラスト。小出雅之さん作)
* * * *
【三百文字の偉人伝】
ベンジャミン・フランクリン
(電気学の父・政治家)
1706年1月17日生まれ 1790年4月17日没
フランクリンの〈経済的独立〉
ベンジャミン・フランクリン(1706~1790)は,アメリカ
の独立時に政治家・外交官として活躍したことで知られ
ています。
若い頃は印刷業を営んで『ペンシルバニア新報』という
週刊の新聞を発行し,40歳になるころに,その仕事を他人
に任せました。
今で言えば「フランチャイズ」のような〈他人に働いてい
ただくしくみ〉をつくり,自分は働かなくてもお金に困らな
い状態になりました。
これを経済的独立(ファイナンシャル・インデペンデンス)
といいます。
彼は経済的独立を果たした後,ありあまる時間で何を
したのでしょうか?
40歳ころに静電気実験にハマって,毎日好きなだけ
実験をしたのです。
そのために経済的独立を果たしたと言ってもいいでしょう。
ついには世界の電気研究で第一人者にまでなりました。
その後,政治や外交の仕事を頼まれたのですが,経済的
独立をしていたので,お金のためではなく,自分のやりたい
ように,みんなが喜ぶようにというポリシーを貫けたのです。
参考文献:板倉聖宣『フランクリン』(仮説社)
松本慎一・西川正身訳『フランクリン自伝』(岩波文庫)
* * * *
フランクリンの生涯をながめていて思うのは,
彼の活動や関心領域が,私が参加してきた楽知ん
研究所(「たのしい科学」がテーマのNPO)や,当社・
楽知ん投信の世界とおおいに重なりあっている。
ということです。
・アマチュア精神による「たのしい科学」の伝統
・市民のための科学講座
・4つのお金の稼ぎ方(ビジネスオーナー,投資家として
の生き方。フランクリンは「4つのお金の稼ぎ方」すべ
てを経験している )
・NPOによる公のサービス,
(市民の手で新しいサービス,笑顔の流れをつくる)
等々……そして最後(晩年)には,新しい国家をたちあげる実験
(アメリカ建国)という大仕事があるわけですが……
フランクリンの生涯には,近代社会の人間の生き方の
「理想」が凝縮されているように思っています。
フランクリンのような「偉人」と自分たちを重ねあわせる
というのは,厚かましい気もします。でも,スケールや創
造性の「格」がちがっていても,行っていることの「しくみ」
「論理」には同じところがある……と思っています。
「みんなでフランクリンになろう!」
ということを,楽知ん研究所の仲間と語りあってきました。
(近く,楽知ん研究所から,そのようなタイトルの本を出す
ことを計画中です)
そんなフランクリンなのですが,日本ではその本当の
業績や「生き方」のおもしろさについて,あまり知られて
いないようです。
おととしの2006年はフランクリンの生誕300年でした。
楽知ん研究所では,その「記念」に「フランクリン研究会」
という1泊2日の研究会を,東京の多摩で行いました。
(70人ほどが参加 2006年8月5日・6日)
私たちの知るかぎり,日本では「フランクリン生誕300年」
関係の行事は,ほかにはなかったようです(見落としもある
かもしれませんので,何かご存知の方がいたら,ぜひ教え
てください)。
その年,私はアメリカに観光旅行に行ったのですが,アメ
リカでは「当然ながら」という感じで,いろいろイベントがあった
ようです。フィラデルフィアの町に行くと「フランクリン300」と
書いた旗があちこちにありました。
フランクリンは「これからの成熟経済時代をどう生きるか」
を考えるうえで,とても参考になる人物だと思います。
もっとみなさんに知っていただきたいので,これからもフラ
ンクリンのことを書いていきます。
(あきた そういちろう)
会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。
連絡先
akitaあっとluctinfund.co.jp
※お手数ですが「あっと」部分を「@」にご変換ください。
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