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今日は,「ジャントー」というものについてお話します。
「ジャントー」というのは,アメリカの独立時(1776)に
政治家として活躍したベンジャミン・フランクリン(1706
~1790)が若いころに結成した「サークル」の名前です。
フランクリンは,印刷所の丁稚奉公から身をおこし,
のちに印刷業を自分で営むようになって成功します。
それからは,大好きな科学研究(静電気実験など)を
本格的に行って,その分野で世界の第一人者になりま
した。
また,政治家や社会事業家としてさまざまな仕事を行
い,アメリカ独立の際にはリーダーの1人として大活躍
しました。
そんなフランクリンが,フィラデルフィアという町で,
印刷所の従業員として働いていた21歳のころのこと。
フランクリンは,仲間を集めて週1回集まる小さな勉強
会をはじめました。科学や政治や道徳などについて,本
を読んだり,議論したりする会です。
その勉強会を,彼は「ジャントークラブ」と名づけました。
「ジャントー」というのは,「秘密結社」という意味です。
でも,別に政治活動をしようというのではなく,「たのしく
勉強しよう」というだけの集まりです。
集まったのは,ごく普通の(勉強好きな)働く青年10人
あまりでした。
この「ジャントー」という小さな勉強会からその後,いろ
いろなことが生まれていきます。
たとえば,「世界で最初のみんなが使える公共的な
図書館」である「フィラデルフィア図書館会社」の設立
は,このジャントーの青年たちが推進役になっています。
ジャントーは,メンバーの人数を制限していました。
それがよかったのか,40年以上続きました。
フランクリンは,地域でいろいろな社会事業をしてい
ます。
アメリカではじめてのお札の発行,消防組合の組織,
病院や大学の創立等々……
そういう新しいことを行おうとするとき,フランクリンは
まずジャントーでそのことを話して相談しました。
彼にとってジャントーという「ふつうの若者・おじさんが
集まった小さな勉強会」は,活動の「根拠地」でした。
*
フランクリンのジャントーは,小さな「サークル・勉強会」
の,究極の理想像のようなものだ……と思っています。
ふつうの人が集まっているささやかな会なんだけど,
活気があって,創造的に,自分たちができることをトコトン
たのしんでいる。
そして,その「たのしみ」が,公益=他人の笑顔とつな
がっている。
そういうサークルを
「ジャントーのようだ」
とでも言ったらいいと思います。
楽知ん研究所(私が参加しているNPO)も,ジャントー
のようでありたい……
ところで,あす22日(土)と23日(日)に,岡山県の倉敷
に行ってきます。ある長期投資関係の勉強会にお客さん
の1人として参加するためです。
その勉強会の主催者は,倉敷に住む20代の若い方
です。仲間を集めて一種の「サークル」をつくって活動
しています。
その様子をみていると,ちょっとジャントーを連想させ
るところがあります。
また,「ジャントーみたいなグループって,日本のあち
こちにできているのかも……」などと思ったりもします。
※参考文献 板倉聖宣『フランクリン』仮説社
(あきた そういちろう)
会社勤務のかたわら,「たのしい科学」の世界を子供や大人に広めるNPO法人「楽知ん研究所」で活動してきた。現在,多摩地区で妻と2人暮らし。
連絡先
akitaあっとluctinfund.co.jp
※お手数ですが「あっと」部分を「@」にご変換ください。
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